ムースはデザート? フレンチに欠かせないムースの魅力にせまる!

ムースはデザート? フレンチに欠かせないムースの魅力にせまる!

ムースという言葉自体は聞いたことがあるかもしれませんが、具体的にムースとは何かご存じでしょうか。
雲のようにふわふわとした見た目と、口に入れた瞬間、まるでそこに存在していなかったかのように滑らかに溶ける軽い口当たり。そんな独特の味わいが魅力的なムースについてそもそもどういったものなのか、ムースを使っている料理などをご紹介いたします。

ムースとは

ムースというのは直訳すると「泡」でいう意味です。その名の通り、スープやソースなどのさまざまな素材を泡立てることによってムース状にしたもののことを指しています。あるいはビュレにメレンゲや生クリームなどを混ぜて空気を含ませたもののことでもあり、場合によっては、泡を少しでも長く保つためにゼラチンを含ませる場合もあります。

元々は卵と砂糖とチョコレートなどを混ぜた上で泡立てることによってできるデザートでした。卵白を混ぜる際にしっかりと泡立てることによって、普段イメージするあのふんわりとしたフォルムと食感に仕上がるのです。ムースというのはフランス語で、アメリカではホイップと表現します。ムースを製造する過程で、準備などにかける時間によってムース自体の食感が変化することも特徴的です。ふんわりとした軽い食感から非常に濃厚でクリーミーな食感へと仕上げることも可能なのです。

ムースとピュレなどの違い

フレンチでよく使用されるものの中でムースとよく似たものが複数あります。それらのものとムースとの違いをご存じの方は意外にも少ないのではないでしょうか。野菜や果物を裏ごしして濃度の高い半液体にしたものを「ピュレ」といいます。ビュレを更に液体に近い状態にしたものを「クーリ」といい、いわゆるゼリーのことである「ジュレ」などがあります。いずれも泡ではないため、ムースとは似て非なるものですので、代用されるということは決してありません。ふわふわとしていて口に入れた途端に溶けてなくなる独特の触感はムースならではのものですので、フレンチの繊細な味わいにもぴったりでよく使われているのです。

また、ババロアも場合によってはムースと同じように扱われることがあります。基本的にはゼラチンの有無などをはじめ、製造方法や材料が違いますので、ババロアをムースのように使ったりすることやその逆に関してもありません。しかし、ムースでも泡を保たせるためにゼラチンを混ぜることもあるため、一概に区別できないケースでもあります。

非常に似たもので「エスプーマ」というものも存在しています。食材などを泡にするという点は完全に同じですが、料理のアクセントとして使われることの多いムースと比べますと、エスプーマの場合は料理の中で他の食材と絡めてためのものという違いがあります。また、専用器具を使わなければならないという点もムースとは異なるのです。

ムースを使ったフランス料理 コース料理の前菜

フレンチではムースを前菜として出すことが非常に多くあります。その軽やかな食感と爽やかな後味がコースの始まりとしてとてもふさわしいため、頻繁に組み込まれることにも納得ではないでしょうか。そのためデザートというよりも、料理という側面が強くなりますので、ムースに使用される食材も野菜が中心となります。

代表的な食材としては、まずはトマトです。トマト自体が持つ爽やかな酸味とジューシーな味わいをムースにすることによって、味わいをより柔らかくしながらも食欲を引き出し次の料理へとつなげる効果があります。ムースにしたトマトと、トマトのぶつ切りを混ぜ合わせることによって、前菜としての食べごたえも感じられるようになるのです。

他にも野菜を使ったものであれば、人参のムースも比較的前菜として登場する場合が多いです。人参もまたほのかな甘味が特徴的な野菜ですので、ムースにすることによって更にその優しい味わいが拡張され、口いっぱいに広がります。更に鼻に抜ける香りがとても印象的です、見た目の色合いも楽しむことができるので華やかさでも十分です。

ムースを使ったフランス料理 ムース・オ・ショコラ

ムース・オ・ショコラはフランスの家庭料理の一つで、クリスマスディナーでは定番となっているデザートのことです。ムースのふんわりとした食感が非常に重要となるため、美味しく仕上げるためには食感を大切にするというのがポイントです。ムースそのものを味わうデザートですので、ムースのできが味を左右します。家庭料理というだけあって、レシピは非常にシンプルです。材料は卵黄と卵白、砂糖、生クリーム、チョコレートだけですが、仕上げ用のナッツなどを用意して最後にムースの上に載せるというケースもありますので、好みに応じてトッピングでアレンジするのもいいかもしれません。

作り方ですが、卵黄と砂糖をまずはボウルで泡立て器を使って混ぜ合わせます。白っぽくなるまでかき混ぜたらOKです。その状態で溶かしたチョコレートを加えて再び混ぜ合わせます。この時お好みでラム酒を少しだけ足す場合もあります。そして、別のボウルで卵白と砂糖を混ぜてメレンゲを作ります。
あらかじめ6分立てにしておいた生クリームを混ぜ合わせた卵黄のボウルに投入し、混ぜ合わせたらメレンゲを更に加えて更に混ぜ合わせます。メレンゲの泡を潰してしまってはいけませんので、ゴムヘラを使うと簡単です。後は器に移し替えたら、2時間ほど冷蔵庫で冷やせば完成です。
あまりレストランなどでは提供されることがないため、ご自身で手作りしてそのシンプルながら深い味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。

まとめ

メイン料理ではないのであまり表に出ることはありませんが、ムースは前菜としてコースの始まりをしっかりと組み立てるのに欠かせない存在です。アラカルトとして食べることはあまりありませんので、フルコースなどのコース料理としてその一筋縄ではいかない味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。「lemidi ルミディ」はコース料理も提供しておりますので是非お越しください。