フレンチによく出る「エシャロット」とはラッキョウ? タマネギ? 違いを解説

フレンチによく出る「エシャロット」とはラッキョウ? タマネギ? 違いを解説

フレンチには「エシャロット」という言葉がメニューによく見られます。
エシャロットは、名前が若採りされたラッキョウの「エシャレット」、見た目がタマネギに似た不思議なレア野菜です。本記事ではエシャロットの歴史やラッキョウ、タマネギとの関連性、フレンチでの使われ方などを解説します。

エシャロットとは何か?

エシャロットはネギ属の多年草で、香味野菜と言われています。料理でも「エシャロットの○○」のようなそれ自体を主役にするよりも、ソースなどに混ぜて匂い消しに使われることが多いです。収穫時の見た目は小さなタマネギのような感じです。皮にはつやがあり、色は本来のタマネギのようにオレンジのものもあれば、鮮やかな紫色に育っている場合もあります。保存方法は冷暗所か、夏場は野菜室に収めるのが適切です。
旬でおいしいエシャロットは手に持ったとき、硬さと重みがより感じられます。国内での栽培例が少なく、毎年輸入で仕入れられる場合が多いため、一般のスーパーマーケットでは見かけることは少ないです。

エシャロットの歴史的成り立ちは?

エシャロットは中央アジアが原産地で、昔からヨーロッパや中東地域に輸入され、材料に使われていました。この野菜は約2,000年前に誕生し、中東地域で栽培されていたものを十字軍が採って、ヨーロッパに持ち込んだことから名前が知られたそうです。現在のところ、エシャロットは日本ではまだまだレアな野菜の域を出ませんが、フランスやイタリアでは家庭料理の香味野菜として流行しています。

エシャロットはラッキョウやタマネギとよく間違えられる。違いを解説

エシャロットは名前や見た目などから、若ラッキョウの「エシャレット」やタマネギと混同されることがあります。キャベツやレタスのように、何となく似ている野菜の組み合わせはありますが、ほかの複数の種類と間違えられやすい野菜はそうそうありません。エシャロットとエシャレット、タマネギの違いを解説します。

「エシャロット」と「エシャレット」の違い

エシャロットはフランス語で「Échalote」とつづられ、名前の由来はイスラエル南部の都市「アシュケロン」(Ashkelon)に由来します。英語では「Shallot」と呼ばれます。一方、若ラッキョウの「エシャレット」は、当初はこちらが「エシャロット」の名前で流通していました。若ラッキョウは軟白栽培により通常よりも1年早い時期に収穫されたものです。商品化されたのは1955年頃とされ、当初は「根らっきょう」として売られようとしていましたが、卸売業者の意向により当時はまだ輸入されていない「エシャロット」の名前がこちらにつきました。

ちなみにラッキョウ自体もフランス語で「Échalote」、英語では「Japanese Shallot」という説もありますが、これは間違いです。フランス語では「Oignon de Chine」、英語では「Chinese Onion」と呼ばれ、どちらも「中国タマネギ」という意味です。
本物のエシャロットの輸入後は、若ラッキョウは「エシャレット」や「エシャ」と呼ばれています。若ラッキョウは根菜のような見た目で、味もエシャロットとは大きく異なります。本物のエシャロットの方も若ラッキョウに配慮して、「ベルギー・エシャロット」などと呼ばれることがあります。

エシャロットとタマネギの違い

エシャロットは見た目からタマネギと混同されることもあります。 タマネギ自体もネギ属の多年草であり、香味野菜としてエシャロットの代用材料として使われることもあります。また、エシャロットもタマネギ同様、刻むと辛味成分が飛び出し、涙が出ます。

しかし、エシャロットとタマネギは味に違いがあります。エシャロットの味はタマネギとニンニクの中間と形容されます。生で食べるとタマネギよりも辛く、香りの強さはネギ並です。成分はタマネギが炭水化物やカリウムを多く含んでいるのに対し、エシャロットはビタミン C、アリシン、葉酸が多いです。タマネギが血液をサラサラにする効果を持っているのは有名ですが、エシャロットのほうがさらに健康によく作られている印象です。

エシャロットはフレンチでどう使われるのか?

エシャロットはフレンチでは料理の主役になるより、香味野菜として味つけに使われることが多いです。フレンチでのエシャロットの主な活用方法は、みじん切りにしたりおろしたりしてから、ソースや臭み消しに混ぜます。これらは肉や魚料理に添えられることが多いです。エシャロットは料理によって、ドレッシングの材料としても使われます。フレンチでは、エシャロットの素材自体の味を楽しむというよりも、肉や魚の味をたしなむ延長で、匂い消しやソースとしてのサポートを受けることが多いです。

まとめ

エシャロットはフレンチの材料によく使われますが、香味野菜としてソースや匂い消しの材料として活用される場合が多いです。
エシャロットはその名前から「エシャレット」とも呼ばれる若ラッキョウや、見た目が似ているタマネギと間違えられることがあります。
若ラッキョウとは見た目や味が大きく異なり、タマネギより辛味が強く健康にいいです。

横浜の「フレンチビストロ ルミディ(lemidi)」でも、ソースなどでエシャロットの味を楽しめます。
エシャロットとともに気品あふれる料理を味わいたくなったら、当店にぜひお越しください。