フレンチの付け合わせというと、どのようなものを想像されるでしょうか?
フランス料理における付け合わせは“ガルニチュール”と呼ばれ、さまざまな素材と調理法の組み合わせにより成り立っています。そこで今回は、フレンチと付け合わせの関係についてご紹介します。
付け合わせの目的
付け合わせとは?
日本料理でいう“付け合わせ”といえば、焼き魚に添えてある大根おろしやお寿司についている生姜の甘酢漬けなどを想像される方も多いのではないでしょうか。これは、魚をより食べやすくするためや、お口直しのため、見た目に華やかさを持たせるために用いるものです。フレンチでは、このような付け合わせの役割を持つものを、「ガルニチュール」や「ガルニ」と呼ばれます。
フランスでの付け合わせの目的
フランス料理のガルニは、メイン料理を引き立て、お皿の彩のバランスをとる役割を果たしています。他にも、箸休めや料理の栄養価を高めるといった役割もあります。中には、お米やパスタをガルニとして用いることで1つのプレートで主菜と主食を食べるようにするということもあるそうです。
フレンチの付け合わせ さまざまな調理法
フレンチ料理の多くは、野菜を付け合わせとして用います。それでは、調理法別にどのような付け合わせがあるのかみていきましょう。
生野菜
生野菜は主にクレソンやパセリ、各種ハーブが用いられます。ハーブによって香りの違いが楽しめるほか、お口直しの効果、口臭予防、食欲増進、食中毒予防、疲労回復などの効果が見込めます。
ソテー
さやえんどう、グリンピース、ホウレンソウ、ピーマン、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、きのこ類は下茹でしたあと、ソテーにして付け合わせにします。緑の野菜はソテーすることにより色が鮮やかになり艶がでます。また、きのこはソテーすることにより味に深みとコクがでます。
グラッセ
にんじんや栗のグラッセは有名です。グラッセすることにより甘みとコクがでます。特に、にんじんはビーフシチューなど茶色い色合いのメイン料理の付け合わせとして最適です。
ブレゼー
ブレゼーとは、生または下茹でした野菜をお水、白ワイン、バターやおローブオイルを加えたもので蒸し煮にすることです。セロリ、キャベツ、白菜、かぶ、きゅうりなどが代表的。
ムニエル
ムニエルといえば鮭がまっさきに思い浮かびますが、フランス料理は野菜のムニエルを付け合わせに用います。小麦粉を薄くまぶしてバター焼きにしたナス、トマト、かぼちゃ、ズッキーニにレモンをふりかけていただきます。
フレンチの付け合わせ 王道じゃがいも
さまざまな野菜の付け合わせの中でも、フレンチでもっとも頻繁に使われるのが“じゃがいも”です。じゃがいもは煮て・焼いて・揚げてとどんな調理法でもおいしくいただくことができる万能野菜のため、大変重宝されています。
続いては、じゃがいもにスポットを当てて付け合わせをご紹介していきます。
フライドポテト
拍子切り、くし切り、薄切り、千切りにして油で揚げるとフライドポテトができあがります。香ばしくどんな料理とでも合います。料理によって切り方を変えます。
ゆでじゃがいも
小さめのものはそのまま、大きめのものは半分程度に切り分けてから茹でます。そのままザルにあげ、場合によっては粉ふき芋にします。シンプルな味わいです。
ソテーポテト
じゃがいもを丸茹でにし、皮をむいたのち、銀杏切りにしバターで炒めます。外はカリッと中はホクホクの食感を楽しめます。
ベークドポテト
皮つきのままオーブンで焼きます。事前に薄く油を塗って焼くと焼き目がキレイです。オーブンで焼くと素材そのものの甘みを感じます。
マッシュポテト
じゃがいもを茹ででつぶしたり、裏ごししたものをバターと温めた牛乳で伸ばしたりしたものです。
アリゴ
マッシュポテトに溶けるチーズを混ぜたものです。出来立てをすくうとびよーんと伸び、パンにつけて食べるともあります。見た目と食感が楽しめる付け合わせです。
クリーム煮
じゃがいもを茹でたあと水を捨て、牛乳とバターを加えて煮込んだもの。生クリームを用いることもあります。
グラタン
じゃがいものクリーム煮にバターまたはチーズをのせ、オーブンで焼きつけたものです。
フレンチの付け合わせ 意外なフルーツ
そして、野菜以外に“フルーツ”を付け合わせとして用いることもあります。酢豚でいうパイナップルのようなものでしょうか。フラン料理ではリンゴ、洋梨、オレンジ、パイナップル、バナナなどを用います。フルーツを付け合わせることにより、お皿の彩が豊かになるだけでなく、特にお肉料理などはさっぱりといただくことができます。フルーツの甘みと肉汁の相性もぴったりです。
まとめ
この記事では、フレンチの付け合わせについてご紹介させていただきました。じゃがいも1つをとってみても実にさまざまな付け合わせ調理方法があることがお分かりいただけたでしょう。フランス料理の付け合わせに使われる素材や調理方法にはひとつひとつ意味やこだわりがあるそうです。
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