フレンチのステーキにはどんなものがある? 自宅での焼き方のコツもご紹介

フレンチのステーキにはどんなものがある? 自宅での焼き方のコツもご紹介

フレンチのメイン料理といえば、お肉料理を思い浮かべる方が多いかと思います。
分厚いステーキは見た目にも華やかで、コース料理において最も気分が高揚する瞬間ではないでしょうか。
今回はそんなステーキについてご紹介します。フレンチで主に使われる肉の種類や食べ方のマナー、代表的な調理法など知っておくと食事が一層楽しくなること間違いありません。

ステーキに使われる食材

フレンチのメインディッシュといえば、約7割は肉です。そんな肉を分厚くカットして焼いたり炙ったりしたものが「ステーキ」です。フレンチでステーキにされる肉は日本でも一般的な牛、鶏、豚が多いですが、それ以外にも鴨、鹿、キジが提供される場合もあります。

本場フランスで最も好まれるステーキは「バベットステーキ」と言われており、バベットステーキの専門店もあるほどです。バベットとは日本の捌き方では牛のカイノミ辺りを指し、これをレアに近い状態で食すのがフランス流です。日本のフレンチで出てくるビーフステーキは、サーロイン、フィレ、ランプ、リブロースの部位が中心で、中には骨付きのまま出てくる場合もあります。

ステーキの食べ方

ステーキはナイフとフォークで食べるのが基本ですが、もしフィンガーボールが一緒に出された場合には手を使って食べても構わないという合図です。フィンガーボールとはガラスや金属、ステンレスでできた小鉢ほどの器で、中には指先を洗うための水と、お店によっては消臭用のレモンやコリアンダー(パクチー)が浮かんでいます。

こうしたフィンガーボールが出てきた場合でも、いきなりつかんでは食べません。骨と肉を切り離す、肉を口に運ぶときは通常通りナイフとフォークを使います。あらかた食べ終わり、骨周りにまだ肉が残っていた場合にのみ手で持ち上げて食べるようにします。そうして食べ終えた骨は、皿の向こう側に寄せておくのがマナーです。例外として、小さなスペアリブははじめから手でつかんで食べて差し支えありません。食べ終わった後、フィンガーボールで手を洗う場合は、片手ずつにしましょう。

ステーキの調理法

「ステーキ」と一口にいっても、さまざまな調理法があります。フレンチのメニュー名は、食材や付け合わせ、味付けや調理法が含まれる場合が多く、調理法を覚えておくと料理を連想しやすくなります。ここで代表的なステーキの調理法を2つご紹介します。

まず一つ目は「グリエ(griller)」です。これは英語の「グリル」に当たります。本来はグリエといえば直火にかざすものでしたが、現在では網や溝のある鉄板を使って網目状の焼き跡が付く調理法を指します。グリエは、網目から余計な脂肪分が落ちるため、サッパリといただくことができます。

2つ目の調理法は「ソテー(sauter)」です。ソテーとはバターや油で野菜や肉を炒めることで、基本的にはフライパンのみで仕上げます。表面にしっかりと焼き色を付けて肉汁を閉じ込めるため、香ばしさがあります。

ステーキの焼き加減

お店によっては、注文時にステーキの焼き加減を尋ねられる場合もあります。肉の焼き加減は大きく分けて5段階です。火をよく通す順に「ウェルダン」「ミディアムウェルダン」「ミディアム」「ミディアムレア」「レア」となります。ミディアムを中心として、ウェルダンは肉の中心までよく焼いたもの、レアは表面を焼いた程度のものを指します。ステーキは火を通せば通すほど固くなり、ジューシーさも失われやすくなります。特に好みがない場合は、オーダー時にシェフおすすめの焼き加減を聞いてみるとよいでしょう。

ステーキには赤ワインが合う

肉料理に合うお酒といえば、赤ワインです。華やかでしっかりとした果実香のワインなら、脂が濃い硬質的なステーキに合わせるとよいでしょう。また、適度な酸味が特徴のワインなら、同じく酸味のあるソースを使ったステーキと合わせるとお互いの良さを引き出し合うことができます。このようにステーキと赤ワインの相性は、果実味、タンニン、酸のバランスに着目してみましょう。

ただし、赤ワインの銘柄は非常に多い上に店によっても品揃えが異なります。こだわりのワインがない場合には、ソムリエやサービス係のスタッフにワインリストの中から料理を引き立ててくれるおすすめのワインを聞いてみるのが賢明です。

自宅での基本的なステーキの作り方

自宅で分厚いステーキ肉を調理すると、中まで火が通っていなかったり、焼き過ぎてジューシー感が失われてしまったりという方も多いかと思います。ビーフステーキをおいしく焼き上げるにはコツが必要です。まず肉は常温に戻します。フライパンをよく熱してから肉を焼き始めますが、焼いている間は肉汁を出さないよう肉を極力動かさないようにします。焼いている間は牛の脂をスプーンですくって上からかかけましょう。

中をしっとり焼き上げたい場合には、フライパンでは表面だけ焼き、その後180℃のオーブンで20分程度焼きます。また、焼き終わった後はすぐにカットせずホイルでふんわり覆い、10分間を目安に肉汁を落ち着かせます。この間に肉汁が全体に回り、ジューシーに仕上げることができます。適度に水分を逃がすために、包む素材はラップではなくホイルを使いましょう。生焼けかどうかを知る最も簡単な方法は、竹串を刺すことです。中から透明な肉汁が出てくれば十分加熱された証拠であり、反対に赤い肉汁が出てくれば加熱が不十分な状態です。

まとめ

今回はフレンチにおけるステーキについてご紹介しました。
横浜にあるフレンチビストロ「lemidi ルミディ」は、本場フランスで修業を積んだシェフによる自慢のステーキをご提供しています。
シェフによる渾身のお肉料理は、どなたにもきっとご満足いただけることと思います。ぜひ一度足をお運びください。