“奥が深く、味も深い”フレンチ料理のソースについてご紹介!

“奥が深く、味も深い”フレンチ料理のソースについてご紹介!

フランス料理といえば白いプレートをキャンパスのように彩ったソースが印象的です。
フランス料理においてソースとは、盛り付けの彩りを添えるだけでなく、料理の味を最大限に引き出す立役者的な役割を果たしています。その種類は700種類以上。フランス料理といえば、ソースの芸術作品と呼ばれるほどフランス料理とソースは密接な関係にあります。
そこで今回はフレンチにおけるソースの存在についてご紹介します。

フレンチにとってソースはとても重要

そもそもソースの役割とは?

一般的に「ソース」呼ばれるものは、冷製または温製の濃度のある液体状のものをいいます。料理にかけたり、つけたり、添えたり、あしらったりして料理の味を一層高めるために使います。

フレンチといえばソース

ソースを使った代表的な料理といえば、「フランス料理」でしょう。フランス料理にはさまざまなソースの種類があり、細かいものまで含めると700種類以上もあるといわれています。フランス料理のソース作りは熟練したベテランのシェフに任されるお仕事です。フランス料理のシェフたちは自分たちのオリジナルソースのレシピを完成させるために日夜努力を重ねています。こういったところも、フランス料理はソースの芸術品と呼ばれる所以です。

ソースの元となる「フォン」と「ジュ」

それではフレンチのソースはどのようにして作られているのかご紹介します。まず、フレンチ用語に「ブイヨン」や「フォン」「ジュ」といった言葉があるのをご存じでしょうか。ブイヨンという言葉は日本の家庭料理などに近年用いられるようになっているので身近に感じるという方もいらっしゃるかもしれません。

ブイヨンとフォンについて

ブイヨンとフォンは訳すると、どちらも「だし汁」という意味です。大きな違いは、ブイヨンはスープに使われるだし汁、フォンはソースに使われるだし汁というところです。『ソースに用いられるだし汁=フォン』には子牛の骨を煮出したもの(フォン・ド・ボー)、鶏を煮出したもの(フォン・ド・ヴォライユ)、オマール海老を煮出したもの(フォン・ド・オマール)などがあります。これらをベースにして赤ワインやブランデー、野菜などを加えることによりソースの原型が完成します。

ジュについて

一方、ジュもソースに用いられるもので、「素材の水分」という意味になります。「エキス」といってもいいかもしれません。フルーツや野菜のしぼり汁、お肉を焼いたときに出てくる肉汁も「ジュ」と呼びます。これらに溶かしたバターや赤ワインを絡めて煮詰めることにより、素材の香りや味が生きている深みのあるソースを作ることができます。素材本来の味わいを凝縮して作るソースベースです。

基本のソース

フランス料理においてソースが発展していったのは、近世のマリー・アントワネット時代といわれています。さまざまな伝統的なソースが生まれ受け継がれ、幅広く発展していますが、基本的には19世紀に登場したフレンチシェフのアントナン・カレーム氏が提唱した4種類といわれています。この人物はフレンチシェフのトレードマークであるコック帽子を考案した人物としても有名です。マザーソースはあくまでもソースのベースとなるため、そのまま使用されるということはありません。また、基本のソースに材料が一つ加わることで名前も変わっていくのもフレンチ料理におけるソースの特徴です。

フレンチはどのようにしてソースを作る?

では、基本となる4つのマザーソースをご紹介します。

ソース・アルマンド

白または少し色づいたルー(小麦粉をバターで炒めたもの)をフォンでのばし、卵黄とレモン果汁を加えたもの。

ソース・ベシャメル

日本でもホワイトシチューやグラタンを作るときに用いるベシャメルソースを牛乳でさらにのばしたもの。

ソース・エスパニョール

しっかり目に炒めて茶色く色づいたルーに牛肉や野菜で作ったフォンを加えて煮詰めた後、トマトソースを加え、さらに煮詰めます。

ソースブルーテ

薄く色づいたルーを鶏肉や子牛の骨で作ったフォンや魚の煮汁でのばしたもの。

これらのソースにさまざまな素材を加えることによって、多彩なソースが生まれます。

まとめ

和食ではソースを添えて作る料理は多くないため、フランス料理には700種類ものソースがあることに驚かれた方も多いのではないでしょうか。基本となるソースベースだけで4つの種類があるのはたいへん驚きです。そしてフランス料理においてのソースは実にさまざまな素材と料理方法を経て洗練された深みと旨味を出しています。

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